Nasが研究対象としてのヒップホップの有益性を語る・・・「若い子のことは知りたければ、音楽を聞けばいい。音楽の中には、実はすぐ近くにあるのに、見えていない情報が、メッセージが溢れている」
2013/11/06 16:38

自身の本名を冠した新しい奨学金プログラム「The Nasir Jones Hiphop Fellowship」の新設を受け、ラッパーNas(ナズ)がハーバード大学内にあるW.E.B.デュボイス研究所で記者会見を行った
記者会見に同席したハーバード大学教授でアフリカ系アメリカ人研究の第一人者として知られるHenry Louis Gates Jr.(ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア)は、ある匿名の人物から多額の寄付金を受け、新たに客員学者や研究員を対象とした奨学金プログラムを作ったことを説明し、
「通常は寄付をされた方の名前をプログラムの名称に使うものですが、今回はその方から
『私はお金は出しますが、名称にはNasの名前を使ってもらいたい』
という提案がありました」
と、寄付者がプログラムを広く認知してもらう為にNasの名前を使用することを希望したことを明かしている
そのNasについてGates教授は、
「アメリカで暮らす我々黒人は、今も貧困や人種差別を原因とする様々な構造的な問題と闘っています。
多くの場合、我々は自分で自分の身を守る必要がある。
それが私が彼の音楽から受けたメッセージです」
と称えている
続いてマイクを受けたNasは、著名なGates教授から名称使用の問合せを受け「イエス」と即答したことを認めると、
「若い頃、オレはファイターだった。
様々なものと闘い、20代は色んなことにノーと言った。
年齢と経験を積み、若い頃とは闘いの対象が違うけど、これからもファイターであろうと思っている。
オレはKurtis Blow(カーティス・ブロウ)やMelle Mel(メリー・メル)がラップ内で発したメッセージを聞いて、ヒップホップに夢中になった。
ヒップホップはコンピューターサイエンスと同じくらい重要なものだ。
世界は日々変わっている。
若い子のことは知りたければ、音楽を聞けばいい。
音楽の中には、実はすぐ近くにあるのに、見えていない情報が、メッセージが溢れている」
と、世相や社会の構造的問題を調べる上でヒップホップが有効な研究対象になることを説いている
【moluv】