Pusha TがBiggieを語る・・・「BIGは言葉を使う画家だ。パンチラインにこだわる他のラッパーと違って、彼のラップはもっと深かった。しっかりと練って作られてるんだけど、"力み"みたいなのを感じさせないんだ。仕掛けを感じさせない」
2015/02/13 15:02

Rolling Stoneマガジンのインタビューで、Pusha T(プッシャT)がNotorious B.I.G.(ノトーリアスB.I.G.)への憧れを語っている
「オレはヒップホップ史上最高のラッパーはNotorious B.I.G.だと思っている。
『Ready to Die』が出た94年の記憶は鮮明だ。
高2で、ヴァージニアの母親の家で暮らしていたんだけど、クラス中がBIGのアルバムの話で持ちきりだった。
友達と何時間も車にこもって、リリックを復唱したり、BIGのラップのどこが他と違うかなんかを話し合ったりしたな。
BIGは言葉を使う画家だ。
パンチラインにこだわる他のラッパーと違って、彼のラップはもっと深かった。
しっかりと練って作られてるんだけど、"力み"みたいなのを感じさせないんだ。
仕掛けを感じさせない。
フロウも自然だ。
BIGのラップは、色もたくさん使って、隠れた意味とかヒネリもあって複雑なんだけど、自然に聞かせるんだよな。
聞く人にラップだと意識させない。
話してるように聞こえるんだ。
・・・BIGが出てくるまでは、長く群雄割拠の状態が続いていた。
それぞれのファンが『Nasが一番だ』『いやWu-Tangだろ』と主張しあっていた。
その状態にピリオドを打ったのが『Ready to Die』だ。
皆が『Biggieが最高』と口を揃えて言いだした。
そして『Life After Death』でそれを揺るぎのないものにした。
最高のアルバムが2枚組なんだ。
いまだにあれを超える2枚組アルバムは出ていない。
・・・彼が亡くなった時は本当に悩んだ。
カルチャーを潰すような行動がまったく理解できないし、本当に意味が分からなかった。
オレはTupacも大好きだ。
その2人が立て続けにあんなことになるなんて、誰も夢にも思わないよ。
最悪の出来事だ。
もし2015年にBIGが居たらどんなラップを聞かせるんだろうなぁ。
それを思うといまだに胸が痛む。
自分の中でまだ彼の死が消化できてないんだな」
また2006年にリリースしたThe Clipseの2ndアルバム「Hell Hath No Fury」については、
「あの時オレはBIGを強く意識した。
『Hell Hath No Fury』でオレが書いたリリックは全てBIGを意識したものだ。
言葉もヴォーカルの使い方も彼を意識した。
とにかくBiggieのようにやろうと意識したんだ」
とコメントしている
【moluv】