Bad Boyでプロデューサーを務めたD-Dotが、一般的に明るいイメージを持たれがちなMaseの尖っていた頃を振り返る・・・「色んな奴を見てきたけど、あの時のMaseの態度は最低だった」
2013/07/12 15:07
今回は、後に牧師に転向するなど一般的には明るいイメージを持たれがちなラッパーMase(メイス)の尖っていた頃を振り返っている
「Puff Daddy(パフ・ダディ)がハーレム出身のラッパーと契約をした。
オレもデモテープを聞いて、気になっていた。
男はMurda Mase(マーダ・メイス)と名乗っていた。
名前の通り、物騒な内容をラップする奴だった。
初体面はスタジオだ。
オレは彼が待つ部屋に入って、『おめでとう』と声を掛けて手を差し出した。
彼はそれを無視して、いきなり
『オレはカネを稼ぎに来ただけだ』
と切り出してきたんだ。
そんな態度だったけどオレは不快感を出さず、
『クールだね。
じゃあカネを稼ごう。
オレたちThe Hitmenがトラックを用意する。
一緒にヒット曲を作ろう』
と答えたんだ。
そしたら
『一緒にやるけど、オレはプライバシーを大切にしたい。
スタジオの中には誰にも入って欲しくない』
と言い出した。
『残念だけど、オレはここに居ないといけない。
一緒に居て、アドバイスをしたりするのがオレの仕事だから』
と答えたら
『わかった。
ここに居るんなら、あそこのコーナーの椅子に座ってジッとしていてくれ』
と、VP(A&R部門のバイス・プレジデント)のオレに席の指定までしてきた。
言われた通り、その椅子に座って観察することにしたよ。
そしたら、彼は自分が連れてきた地元の仲間たちと色んなレコードを掛けながら、スタジオの中で踊り始めたんだ。
そんな感じだ。
色んな奴を見てきたけど、あの時のMaseの態度は最低だったな。
でも最終的には彼と大金を稼いだ。
何百万枚もレコードを売った。
なんだかんだ上手くやったってことだな」