ベテランDJ Prince Paulが、今のヒップホップが失ったものを語る・・・「昔は式典にラップ関係者が呼ばれることはなかった。呼ばれるようになってもラッパーの出演シーンはカットされた」
2012/01/19 22:06
「今のシーンを見て、ヒップホップへの愛情がなくなってきていると感じるね。
オレが音楽を始めた頃は、音楽におけるヒップホップの権利を求め、アートとして見てもらう為に闘う必要がある時代だった。
ちょっと前まではヒップホップやラップを音楽の発展系と見て、尊重するような人など少なかった。
音楽の式典にヒップホップ関係者が呼ばれることはなかったし、呼ばれるようになってもラッパーの出演シーンはTVでは放送されなかった。
大学生にヒップホップの話をすると『え、あれって音楽なの?』と言われた時代だ。
オレたちはヒップホップへの愛を持って、ヒップホップの為に闘った。
今ではそれが当たり前となっているが、オレたちはアーティストとして認めてもらう為に闘ったんだ。
でも今では『オレはヒップホップを愛し、この音楽の為に闘う』なんて人はほとんどおらず、『ラップで一儲けしてやる』という考えが主流だ。
音楽ではなく、音楽で得られるものに関心が行っている。
今のヒップホップが失ったものは、音楽への愛情だと思うね」