Snoop Dogg "What's My Name"などに登場し世界的に知られるカリフォルニア・ロングビーチの象徴的レコードショップ【V.I.P. Records】が閉店へ・・・創業者が思い出を語る
2011/09/15 14:20
創業32年の老舗ショップのオーナーKevin Andersonは、Press Telegramの取材に対し、CD小売店の限界を語り、特別な支援でもない限りは10月いっぱいで店を閉めることを明かしている
「音楽業界の流れから、いずれこういう日が来ることは分かっていたんだが・・・。
ここ数年は本当に厳しかった。
何とか持ちこたえたが、もう財政的にCDを売り続けるのが難しいところまできている。
しかし、こんなに早く(店を閉める日が)来るとは思わなかったな。
今一番の問題は返すべき借金を負っているということだ。
音楽ビジネスの中での小売店の役回りは間違いなく終わったが、何か商売ができるなら、これからもこの場所に留まりたいね。
昔は店の中に簡単なスタジオを置いていた。
若い子が自由に使えるようにDJ機器なんかも揃えて置いていたんだ。
私もよくセッティングを手伝ったな。
多くの子供たちにとってウチの店は安全な遊び場所だった。
当時、この辺の子が行ける場所はウチかKing Parkくらいしかなかったからね。
昔は商売上のライバルはWherehouseとかTowerのようなチェーン店だった。
もしくはTargetやWalmartのような大型商業施設だ。
彼らは常に我々よりも少し安くレコードを売った。
対する我々は音楽の知識や顧客サービスで勝負をした。
この近所にWarehouseやTowerがないのは、その成果だ。
30年この商売をやり、何度もアップダウンを経験し、たくさんの変化を目にした。
8トラックを買うお客さんが減り、変わりにカセットテープが売れ始め、カセットテープが売れなくなったと思ったら、CDが売れ始めた。
しかしそのCDの後に売るものがなくなってしまった。
神はもう何十年も私によくしてくださったから、不満はないよ。
悪い状況が好転したことも過去に何度もあった。
また事態が好転するのを待とうと思う。
そう遠くないうちに来ると思うからね」
Press Telegramの記者は、VIPの常連客や市会議員など地元の声も多数とっており、VIPの隣で理髪店を営むMichael Bakerは
「この地域にとって非常に厳しい事態だ。
30年以上もこのコミュニティに尽くしてくれたKelvinが居なくなるなんて信じられないよ。
あの看板はこの街を見下ろすお爺ちゃんのような存在だった。
彼はSnoop Doggはじめ沢山のアーティストを支えてきた。
今度はミュージシャン等が彼を支援してあげてくれたらと思うけどね」
とコメントしている